

本日は、カリフォルニア サンタマリアヴァレーに本拠を持つ「バイロン」の醸造責任者ジョナサン・ナギー氏が来日し、彼の造るシャルドネ、ピノノワールの4種をいっしょに試飲した。
「バイロン」のサンタバーバラにおけるワイナリーの歴史は古く、1978年に当時「ザカメサ」で醸造家として活躍していた、ケン・ブラウン氏が設立。サンタバーバラ地区では3番目に設立され、この地を牽引してきた立役者のひとつだ。その後1980年代にはロバート・モンダヴィ氏が買収、その後オーナーが何度か変わるという時代経て、2006年にジャクソン・ファミリーの傘下に入り、設備投資や畑の拡張などプレミアムワインを造る土台ができた。
今このワイナリーでは、サンタバーバラカウンティからの買い付けブドウと、自社畑であるシングルヴィンヤード「ニールソンヴィンヤード」からシャルドネとピノノワール4種類が造られている。
サンタバーバラは東西に走るトランスヴァース山脈が、海岸線からの寒流の影響をさえぎることがなく内陸に運ぶため、冷涼な夏と長い穏やかな秋がもたらす生育期間の長さが、ブドウの熟度を高め、素晴らしいシャルドネとピノノワールができるという。さらに自社畑である「ニールソンヴィンヤード」は標高600〜900フィーに位置し、石灰質を含んだ土壌でピノ・ノワールにとってはシルキーなタンニンをもたらす。ここでは、ブロックごとにふさわしいクローンや台木を選んび小区画ごとに収穫、仕込みをし、自然酵母での発酵など、テロワールを最大限に生かした自分たちの目指す究極のワイン造りをしている。また、サスティナビリティーの取り組みも積極的だ。
まだ、シングルヴィンヤードはここ「ニールソンヴィンヤード」だけだが、2014年からシングルヴィンヤードのシリーズを拡張するため、畑の購入と植樹が進んでいるという。数年内に新たなシングルヴィンヤードのリリースも予定しているという。。
今回試飲した「ニールソン・ヴィンヤード・シャルドネ2012」は特に印象的で、白桃やトロピカルフルーツ、さらにナッツやタバコのような複雑な香りを帯び、味わいは蜜のようにふくよかで、凝縮感と酸味さらにミネラルを感じた。まるでムルソーを彷彿させる味わい。
「ニールソン・ヴィンヤード・ピノ・ノワール2013」は黒い果実と滑らかなタンニン。さらにまるで塩味を連想するかのようなミネラルとヨードを感じる。バランスのとれた樽使いも好印象だった。
醸造家のニールソン氏は根っからのピノ・ノワール好き。1996年にサンタバーバラのピノノワールを飲んでその魅力にとりつかれ、高校教師をやめてこのワイン醸造の世界に入ったというエピソードも披露した。
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