チリ「ラポストール」

チリ屈指のワイナリー、「ラポストール」のCEOでありグランマルニエの創始として有名なマルニエ・ラポストール家7代目となるシャルル ブルネ マルニエ ラポストール氏が来日。本日はラポストールのトップキュベ「クロアパルタ」の垂直試飲に同席した。

 

試飲アイテムは2002、2006、2010、2012の4ヴィンテージ。クロアパルタはラポストール家族にとって完璧さを追求するワインの形だとラポストール氏が言わしめるほど、徹底したワイン造りを実践し、1997年のファーストヴィンテージから名だたる世界のジャーナリストたちから最高の賛辞を受けてきた。そもそも彼の両親が世界で最も評価されるワインを造りたいとの思いを抱いて、チリのコルチャグアヴァレーのアパルタヴィンヤードをその地に選んだ。樹齢100年以上の接ぎ木をしていないブドウと徹底した有機的な栽培方法、さらに除更もすべて手作業、醸造から熟成まではすべてグラビティーフローのシステムという徹底ぶり、さらに醸造コンサルタントはミッシェル・ロランが手がける。クロアパルタは年によって使用品種の割合が違うが、2010年以降はカルメネールが6~7割、カベルネ・ソーヴィニヨンも2割ぐらいブレンドされてワインの骨格を作るという。その他はメルロもブレンドされる。

 

実際に試飲すると、どの年もカルメネールのブレンド比率が最も高かったが、未熟な印象は全くなく、成熟度合が推し量られた。黒い果実とシナモンやクローブなどの香辛料の香りが豊かで、タンニンは強いが滑らかで繊細なイメージ、酸味もあり、どのヴィンテージもバランスが良かった。2012年は清涼感。2010年は甘系香辛料。2006年は凝縮したタンニン。2002年は旨味が特筆している。

 

チリを含め熟成を経た新世界のワインを飲む機会はあまりないが、プレミアムチリワインの熟成のポテンシャルを感じさせる試飲だった。